アラサー男 30にして志を立てる

真面目に不真面目なことを考えるのってなんでこんな楽しいんだろう。

新しくビジネスを作って回していくって大変

最新時事ニュースはもっぱらNewspickで追っかけてるのですが、結構その他コンテンツも充実していて面白いですね。

何より、記事やコラムに対していろんな方のコメントが同時に読めるのが最高に面白いです。賛成派・反対派で、色んな立場の人がそれぞれの視点で語っているので一つのニュースを包括的に理解できる点が素晴らしい。

 

今回は、DMMの創業者の方の対談で思う所があったのでブログの記事にしてみる。

【DMM亀山敬司講演@船井総研】第1回:「衰退業界での生き残りかたとは?」 - デイリーニュースオンライン

 

1.経営者・起業家の視点って面白い

                                       

こういうインタビューを見ていて何時も思うのは、経営者、特に起業家の方の視点って本当面白い。

独創的なんだけど、根っこの部分はシンプルで、コンサルなんかが提案する企画書と違って基本的に勘ピューターという名の本能で事業を判断している印象。

でも、抑えるべきポイントはちゃんと抑えてて。

 

そして、情報が十分でない中でも意思決定を下して、分けがわからない中でも、とにかく前に向かって進んでいき、最後どうなるかわからないけど、結果には責任を持つ潔さ。

 

インタビュー記事にもありますが、「アフリカで何か事業をしてみようと思うから、やりたい奴手を上げろ~」と言って、手を挙げちゃった人に一人100万円づつ渡して3か月間彷徨ってビジネスの種を見つけてこいと言って本当に送り出す。

自社の事業をよく知っている人間が、3か月間現地を自分の目と耳と足で回って情報を集めてくる。コンサルに高い金を払ってリサーチや戦略を立ててもらうよりもよっぽど面白いマーケットリサーチ方法ですよね。

 

やっぱり事業家はこうでなくちゃっ、と笑いながら楽しくインタビューを読ませていただきました。

 

2.新規事業と既存事業の違いって?

                                       

新規事業の立ち上げの場面に携わることも多いのですが、求められる資質やスキルが既存事業を円滑に回す事とは大きく違うと日々思い知らされてます。

 

この二つを、ざっくりと比較してみると下記のような感じでしょうか。

 

「既存事業

・ビジネスの仕組みは出来上がっており、必要なのは仕組みを効率的に回す事

・必要なのはビジョンを作って人を導くリーダーではなく、仕組みを熟知しながら効率的に回していけるマネージャー。

・ビジネスを回すためのドライバー、そしてビジョンも基本的には出来上がっている。マネージャーのミッションは社員をいかに効率的に業務遂行させるか

・社員に求められるのは仕組みの中での業務改善。PDCAサイクルを回すのも仕組みの枠組みの中でさらに効率的に回すのにはどうしたらいいかというのが主となる。

 

「新規事業

・何をどうしたら良いのか誰も正解を持っていないので、自分なりの仮説を建てて、情報を集めて検証し、勘ピューターも使いながら正解らしきものを探して、とりあえず仕組みらしきものを作るところが始まり。

・必要なのは、効率的にビジネスを回すマネージャーではなく、ゼロベースでビジョンを作り、チームを率いていけるリーダー。

・ビジネスを回すためのドライバーは走りながら見つけていく。まずは、小さな成功体験を目指しながら実績作りに走り回る

・前例とかは勿論ない世界なので、常にビジネスの最適解を求めながら、仮説構築⇒検証⇒動く⇒結果を見て修正と、時には枠組みそのものを大胆に変えながらPDCAサイクルを回していく。

 

個人的には新規事業の方が好きなので、少し記述が偏っているような気もしますが、これは、どちらが良い悪いという話ではなくて、単に求められる資質・スキルが違うだけなのだと思います。

 

例えば、日本で超優良企業とされるキーエンスなんかは、完全に前者。最適な仕組みが出来上がっていて、この仕組みを回すのが超上手い。

他には真似を出来ないぐらいの効率的なやり方で徹底的に仕組みを利用してビジネスを回していく。他にも、異常に利益率が高い企業は多かれ少なかれ、似たような事をやっている印象。

 

これって、実は日本企業だけでなく外資企業でも同様だったりするのかなと思ってます。知っている限りだと、シーメンスなんかは正にこれですね。

徹底的に標準化を進めて、ある意味誰がやってもそれなりの実績が作れる仕組みが出来上がってる。勿論、グローバル企業なんで標準化とローカライズの個別化のバランスというトレードオフの問題は出てくるものの、仕組み作りがすごく上手な企業という印象。

 

 

3.不足しがちな新規事業を引っ張っていけるリーダー達

                                       

これは、全世界どこに行っても同じだと思うのですが、ビジョンと戦略をゼロから作り、中々先が見えない闇の中チームを引っ張っていけるリーダーって本当に希少だと思います。

 

身近な所の新規事業立ち上げの実例を見ている限り、ありがちなパターンが

・会社がとりあえず新規事業と5か年計画をぶち上げる。

・役員の指示を受けて、社内の経営企画部的な所が何となく進出計画・人員計画を建てる。

・でも、肝心のどうやってビジネスを作っていくのかについては、ほとんどスカッスカのペラッペラ。

・結局、事業部の現場の人間が放り込まれて何とかしろと指令を受ける。訳が分からないながらも四苦八苦しながらなんとかビジネスを作るために奮闘する。

・でも、結構な目標を与える割には必要な権限・リソースが割り当てられず。

・結局、組織の力ではなく個人の力でやらざるを得なくなり、スーパーマン以外は鬱になって戦線を去っていく。

・そんな感じで結果が出ないままでも、多くの場合撤退するわけでもなくゾンビのように新規事業部は存続しつづける。

・最終的には適当な事業部と統合されて無かったことにされる。

 

勿論、うまくいくケースもありますが、周りを見ている限りではこんな風になってしまう残念な新規事業も結構な割合で存在する気がする。

 

 

とある有名な経営者の言葉で好きなのが、これ。

「正しい戦略を正しいリーダーシップで導けば事業の8割以上は成功する」

 

新しい事業の出来不出来は、ほとんどは誰がリーダーかで決まると思ってます。

多少厳しい事業でも、リーダーが素晴らしければ何とかなってしまうビジネスの不思議。

ただ、周りを見ていると素晴らしいリーダーをせっかく見つけても、十分な権限とリソースを与えず中途半端な形で任命して、組織の論理に振り回されて摩耗していき、結局ばからしくなって辞めていく人のなんと多い事か。

 

こういったしがらみを味方につけることも、リーダーの必要なスキルの一つなのかもしれませんが、もうちょっと上手いやり方があるのではなかろうかといつも思ってしまうやるせなさ。。。

 

 

と傍らで眺めながら、自分自身はやっぱり、別にビジネスの規模そのものは小っちゃくてもいいから、一緒にビジネスをする経営者やマネジメントの顔がちゃんと見えて、加えて喧々諤々の議論が一緒にできて、お互いに納得感を持ちながらビジネスを回していける環境で働こうと強く決心するのでした。