アラサー男 30にして志を立てる

真面目に不真面目なことを考えるのってなんでこんな楽しいんだろう。

家族は世界で一番小さな組織

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今回は、結婚のメリット・デメリットについて考察してみたいと思います。

まずは、とある女性A子との会話から。

 

A子:「やっぱり、結婚したら家計は女が管理するものですよね~。男に任せてると何に使うかわからないじゃないですかw」

 

確かに、男なんてその場のノリでとんでもない額の支払い奢ったりとかするしなぁ。

でも、逆にホテルのランチに来るおばさま達を見てると、男からしたら女性に全て任せるのも怖いんだよねぇ。。。と思いつつ、興味本位で聞いてみる。

 

私:「うん、そうだよね~。でも俺だったら任せるにしてもちゃんと家計簿とかつけてほしいなぁ」

A子:「えー、そんなの信用されてないみたいで嫌ですよ。」

私:「でもそれを言うなら、逆の立場で見ると、男に管理を任せないA子ちゃんも男を信用してないってことにならない?」

 

A子:「だって、周りの人をみたら、みんな女性が家計を管理してますよ!?男は小遣い制が普通じゃないですか。うちの家も、親戚の家も皆お母さんが管理してましたし。それに誰も家計簿なんてつけてませんでしたよ?」

私:「うん、そうだね~。女性の方が感情に流されにくいしお金の管理とかは得意な場合が多いもんね。女性が家計を握っている場合が多いのはわかる気がする」

 

(モヤッと:多分これが世の中の一般解だと思うんだけど、それが半ば常識化してるから「結婚はデメリットばかり!小遣い3万円とかやってられない。」とか言ってしまうんだろうなぁ・・・)

 

・・・なんてありがちな会話をして、もやっとしながら帰りの電車で考えた話。

 

という事で、今回はよくある結婚のメリット・デメリットについて考察してみたいと思います。 

 

某掲示板では、良く「結婚なんて男から見たらデメリットしかない」という事が書かれていたりしますが、私は必ずしもそう思っていません。

正確に表現するならば、「結婚とはリスクが高い取引である」と考えています。

 

1:結婚のメリット・デメリットってなんだろう

                                       

少し古いファイルですが、平成17年「国民生活白書」を見てみると結婚のメリットは以下の通り述べられています。

 

①結婚のメリット

・夫婦の分業によるメリット

 苦手なことを相手に任せ、得意な事を自分で引き受けることで生活を効率化

・家族の規模の拡大によるメリット

 住居費・光熱費・食費等は2人の方が一人頭のコストが少なくなる。また、扶養控除なんかも分かり易いメリット。

・精神的充足などの結婚固有のメリット

 パートナーがいること、家族を持つことの安心感・幸福感。

 

一方で、デメリットについては、上記に比べて整理はされていなかったので、とりあえず箇条書きで考えてみます。

 

②結婚のデメリット

・自分の自由な時間・行動が制限される

・自分の自由になるお金が少なくなる

・同居も含めた親戚関係がややこしくなる

・家族を扶養する責任が生まれる(特に男性)

・家事に縛られる(特に女性)

・仕事がしづらくなる(特に女性)

・恋愛が自由にできなくなる

・夫婦間の関係が壊れてしまった時が怖い

・離婚は非常にエネルギーを使う

 

2:それって本当にメリット・デメリットなの?

                                       

上記で書き出したメリット・デメリットって一見もっともなことのように見えますが、実は「そういう風になるかもしれない」という、本当に顕在化するかどうかは分からない項目が結構多く混じっています。

 

例えば、(将来的に)同居をするかもしれないとか、(夫が理解が無かったり非協力的だと)仕事がしづらくなったり、家事に縛られるかもしれない、といった具合です。

 

こういう視点で上記メリットデメリットを改めて整理すると①確実に起こるメリット・デメリット、②顕在化するかもしれないメリット・デメリットに区分することが出来ます。

 

■確実なメリット

・扶養控除、一人当たり生活コストの減少等の金銭的メリット

・得意分野の分担による生活の効率化

■確実なデメリット

・恋愛が自由にできなくなる

・自分の自由になる時間・お金が少なくなる

 

■顕在化するかもしれないメリット

・家族を持つことによる精神的充足感・幸福感

■顕在化するかもしれないデメリット

・(夫が理解・協力しなければ)仕事がしづらくなり、家事に縛られるかもしれない

・(事前の取り決めがきちんとできていなければ)同居しないといけないかもしれないし、親戚関係が面倒になるかもしれない

・(夫婦関係が上手くいかなければ)精神的にストレスが溜まるかもしれない

・(お互いに家計の管理について納得感が無ければ)小遣い制などに起因して、所得の分配に不公平感が出てしまうかもしれない。 

・(夫婦関係が壊れれば)離婚に多大なエネルギーを使わないといけないかもしれない

 

上記を見れば、確実に起こるメリット・デメリットだけを考えると、むしろメリットの大きく、ただちに結婚すべきでないという解にはなりません。

ただ、問題なのは不確実な顕在化するかもしれない項目が多いのと、そのインパクトが非常に大きいことです。

 

3:家族は世界で一番小さな組織

                                      

私は、家族を会社だとかと同じ、一つの組織だと考えています。

組織なので、当然どんな組織にしたいのかというビジョン、そしてどう管理していくのかというマネジメント・ルールは必要です。

 

そして、組織である以上、夫婦は良い意味でも悪い意味でも50:50の関係であるべきです。独裁を許してしまうと、小さな組織だけにどちらかの都合のよいようにマネジメントされ、どちらかが搾取されてしまうリスクが高まってしまいます。 

 

(結婚の満足値=メリットーデメリット)と定義するならば、夫婦関係が歪んでしまい、メリット<デメリットの状態が続き、不満が積もり積もって(メリットーデメリットー離婚コスト<0)となった時には離婚という悲しい意思決定を下さなければならないこともあるでしょう。

 

組織としては結婚の満足値を最大化することが目的になるわけですから、お互いのビジョンを共有し、妥協すべきところは妥協してお互いのメリットを最大化しつつ、デメリットを最小化するようにマネジメントしなければなりません。

 

逆に、リスクヘッジとマネジメントさえしっかりしていれば、多くのデメリットを顕在化させないようにすることも可能だと思います。

 

(余談:過去、上記のような事を考えて、女友達に「子供を作るのはリスクが顕在化した時に離婚が大変になるから、結婚してから2年は子供を作らず様子見をすべきだと思うんだ!」なんて事をドヤ顔で言ったら、非難ゴーゴー集中砲火を浴びてしまいました。

人前で話すときは「やっぱり新婚生活は2年ぐらい楽しんでイチャイチャしたいよね」というキラキラワードで本音を包むべきという教訓を得ました。当たり前か。。。)

 

まとめ:夫婦のあるべき姿は百組いれば百通り

                                       

当然ですが、何をメリットと感じ、何をデメリットと感じるかは人によって違います。

 

ある人は仕事を最優先でバリバリしたいのかもしれないし、またある人は逆に仕事はそこそこでいいから家族の時間をしっかりとって、家事もきっちりしたいという人もいるかもしれません。

 

メリット・デメリットのピースが上手くはまる人を選ぶのも、リスクヘッジの一つですよね。

 

本来、組織のあるべきビジョン・マネジメント方法は100組夫婦が居れば100通り最適解があるはずです。

 

冒頭のどちらが家計を管理するかについても、お金というセンシティブな話なのですから、「ほかの家庭はこうだから」とか曖昧な言う理由で決めるのではなく、お互いに納得するまでしっかり話し合うべきです。

個人的には、家計管理(CFO)の役割を女性がしたいのならば、最低でも透明性の確保と説明責任ぐらいは当然果たすべき役割じゃないのかと考えてしまいます。

 

最後に、過去にこんな夫婦素敵だなぁと思った事例を紹介します。

 

留学中に出会った夫婦ですが、彼らは結婚を機に交互に大学院に入ることを話し合って決めたそうです。片方が勉強中の間は、相方が生活を支え、そしてその後はそれぞれ逆の役割を果たすそうです。

「一人だけでいて無収入の期間があると不安だけど、家族ができたからリスクをとってやりたいことが出来るようになったんだ~」と嬉しそうに喋っていました。

 

こんな夫婦の形もあるんだなぁと感動したのを覚えています。これはこれで、お互いのメリット・デメリットを最適化した一つの答えですよね。

 

このようにお互いのビジョンに共感しあえ、不確実なリスクについてもお互い支えあえる夫婦って素敵ですね。

 

願わくば、自分にも皆様にもパズルのピースがぴったり合うが見つからんことを。