アラサー男 30にして志を立てる

真面目に不真面目なことを考えるのってなんでこんな楽しいんだろう。

20年後の人類は今より幸せになっている

最近のマイブームはTEDトークで面白そうな動画を漁ることです。ちょっと暇が出来ると大体サイトに行って動画を漁ってます。

 

字幕を英語にして聞いてると良い英語の勉強になるし、単純に内容も面白いし、プレゼンが上手い人達ばかりなのでプレゼン手法の参考にもなるし一石三鳥です。

 

さて、そんなこんなで個人的に面白いと思って今回紹介する記事はこちら。

digitalcast.jp

 

1.世界の格差と貧困は確実に減少している

                                       

雑誌やニュースとかでよく貧困特集なんかがありますが、大体がケーススタディで個別の貧困地帯or世帯に関する特集で、貧困全体のトレンドについては曖昧模糊としてます。

ファクトベースで、世界の貧困と格差を見てみるとどんなトレンドになっているのかについて紹介しているのかが今回のTEDトーク

 

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※画像の説明

①X軸:下側の額は一日当たりの所得(一日当たり所得が1ドル以下を一般的に貧困世帯と定義しています)

②Y軸:一日当たり所得に該当する人口分布です。オレンジ色が世界全体を、紫色がヨーロッパ・北アメリカの所謂先進国を表している。

③AirLine:飛行機を利用できる程度の収入がある人達。大体、一日当たり所得が60ドル程度以上からでしょうか?

 

まずは、1975年。世界全体では、所得分布に二つのコブがあり、まさに持つ者・持たざるもので分かれています。

また、飛行機を利用できる程度に裕福な人たちの70%は先進諸国の人達。

 

 

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これが直近である2014年。

単純に、一日1ドル以下で生活をしている人の絶対数は半分以下になりました。

また、所得格差についてもコブが1つになり全体として格差が縮まったことが一目でわかります。

最後に、飛行機を利用できる人達の先進国が占める割合は50%程度になりました。

 

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時は進んで2035年、今から20年後の世界です。(IMF公表データによる推計により作成されています)

貧困人口はさらに少なくなりました。

また、世界全体の収入の中央値が10ドル前後だったのが、30ドル前後?前増えています。また、世界の金持ち人口数の中心が、先進国からそれ以外に変わりました。

結果、飛行機を利用できる人口の73%が先進国以外の人達になっています。

 

2.その結果、世界はどうなるのか?

                                       

ここからは、ファクトに基づいて世界の在り方を想像する番です。

 

一人当たり所得とは、ネアリーイコール消費です。消費とは経済です。

上記の図からは、20年後に世界の経済の中心が先進国から、現在の途上国(例えば、中国やインド)に移ることが明確に示唆されています。

一つの要素は、一人当たり消費額の上昇。もう一つの要素は、単純に人口の増加。

 

一人当たりの消費額が増え、人口も増えれば当然ながら、GDPは上昇します。

GDPとは経済規模なので、GDPが上昇する=経済が活性化します。その結果、国は豊かになり、人々の生活水準は向上するでしょう。

ここまでは、上記図によって容易に想像できる変化・トレンドです。

ここから先は、より個別自称にフォーカスしたうえで想像することになりますが、例えば個別の国にフォーカスしてみれば、色んなものが見えてきそうです。

 

勿論、発展に伴って種々の問題も発生するでしょうが、世界全体の幸福度の和という点においては、世界全体で見れば20年後は今よりもより良い世界になっていそうですね。

 

3.一方で先進諸国はどうなの?

                                       

上記図を見て、もう一方で注目すべき事象は、紫色で表示された先進諸国に起こる変化です。

 

徐々に、所得の中央値は上がっていますが、その変化の度合いは途上国に比べて圧倒的に少ない。

また、人口数で見ても、オレンジ(途上国)の面積は劇的に増えているのに対して、先進諸国は面積自体はほとんど変わっていないのでは?

つまり、一人当たり所得は緩やかながらも上昇をしているが、人口の伸びが今一なので経済全体(GDP)の成長としてはそれほど期待は出来ないと言えるのではないかと思います。

少子高齢化社会の世界最先端を行っている日本なんかは、この傾向がさらに顕著になるでしょう。

 

 

4.日本における格差のトレンドは?

                                       

ちなみに、世界全体ではなく日本単体で上記と同じような図を作ったらどうなるのかなぁと興味本位で、グーグル先生に質問して色々と調べてみたのですが、残念ながら同じようなデータは見つからず。

統計データを使って自分で作成しても良いのですが、さすがにそれは結構な手間なのでするに至らず・・・(だれか、データをご存知なら教えて頂ければ大変助かります)

 

ざっと探してみて、見つけたそれっぽい分析をリンクで紹介しておきます。

図録▽家計調査による所得格差の推移

 

ちなみに、「日本・所得分布・格差」みたいなキーワードでグーグル先生に聞いてみると、大体が格差社会がどうだとか、ジニ係数は上がっているし、低所得者と高所得差の差は広がっているみたいな論調ばかりでした。

 

こういう問題を見ていると、いっつも感じる違和感は、決められたパイの中での所得の再分配の議論ばっかりで、パイ全体を広げて皆で幸福になればいいじゃないかという議論が極めて少ない事だったりします。

 

高所得者はけしからんという論調は、確かに世間受けがいいかもしれませんが、例えば年収2千万円の人達がしなければいけない努力と払う税金がどれだけのものか考えている人たちはどれぐらいいるんだろう。

 

毎月、100時間以上残業して、死ぬ思いをしながら頑張ってお金を稼いで。

でも頑張って稼いだお金の結構な割合(600万~700万ぐらい?)を税金で持っていかれて。

税金という観点だけで見れば、日本国民のボリュームゾーンである年収300万~400万の人達の何十倍もの貢献をして、でも受けられる公的サービスは同じ。

それこそ不平等ではないのか。

 

人に善意を求めるのならば、善意を差し出してくれた人たちに対して、国は、そして恩恵に預かっている他の人達はお返しに何が出来るのか。別にお金だとか物じゃなくていい。感謝だとか、自分が国を支えて貢献している自負心だとか、目に見えないもので良い。でも、何かが欲しい。

そのビジョンを見せられなければ、単に搾取をしているだけと変わらない。国民だからルールに従って当然なんて思考停止された議論はいらない。

 

そりゃあ、稼ぐ能力のある人は税金がもっと安い海外で稼ぎたいと思うのも無理ない気がしてしまいます。。。